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| ■めざそう“生涯元気” 第3回 元気なからだづくりを心がけよう■ |
| 老化によって低下するエネルギー産生能力を取り戻す。 |
| *エネルギー産生 |
| *エネルギー産生の元となるATPをつくるうえで欠かせないCoQ10。 |
| エネルギー工場の働き手として欠かせないCoQ10。 |
私たちが生きていくうえで必要なエネルギーは、ATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる物質が元となって生み出されます。ATPはミトコンドリア内で生成されますが、ATPの生成に欠かせない物質がCoQ10です。
CoQ10は、体内の酵素の働きを助ける役目を担っています。酵素は化学反応によって体内の物質を分解したり合成するものですが、CoQ10はこの酵素の働きをサポートする「補酵素」としてミトコンドリア内に存在しています。また、先のビタミンと同じような役割を果たすため、「ビタミンQ」との別名もあります。ただし、ビタミンが体内で生合成されないのに対して、CoQ10は体内でつくり出すことができることから、正しくは「ビタミン様作用物質」のひとつです。
エネルギー工場であるミトコンドリアでは、数多くのCoQ10が日夜エネルギーをつくり出し続けています。CoQ10はいわばエネルギー産生に欠かせない戦力。この戦力が休んだり足りなくなると、エネルギーは生み出されなくなります。 |
ミトコンドリア内におけるエネルギー産生の仕組みを、もう少し詳しく見てみましょう。
「ミトコンドリア工場」では、酸素と三大栄養素(糖質・たんぱく質・脂質)をエネルギーをつくるための主な材料として仕入れます。このうちもっとも重要なのが糖質(炭水化物)です。ベルトコンベアに乗せられた炭水化物はすぐにブドウ糖に分解され、3つの工程を経て、エネルギーをつくる元となるATPをつくり出します(【図2】)。
ATPは第一・第二工程で少量がつくられます。しかし、もっとも大量に生成されるのが、第三の工程です。この工程=電子伝達系で必要不可欠な働き手がCoQ10。第二工程で発生した電子を交通整理して、効率的・スムーズにかつ大量に第三工程に送り、ATPをつくり出しています。
こうした役目を担うことから、CoQ10はエネルギー産生に欠かせない物質と呼ばれるわけです。
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エネルギー産生に関わるCoQ10の研究成果はいくつも報告されています。このうち、エネルギーをたくさん必要とし、CoQ10も多く必要とされる骨格筋と心筋に対するCoQ10の作用について、マウスやラットなど実験動物を用いた研究結果をご紹介します。
通常、筋肉は、電気刺激が加えられて収縮・弛緩を繰り返すと、疲労物質である乳酸値やLDH(乳酸脱水素酵素)値が上昇し、細胞内でのATP量も低下してきます。やがて細胞は電気刺激に応答しなくなります。つまり、疲労がたまり、エネルギーがうまくつくられなくなります。
このときにCoQ10を添加しておくと、乳酸値やLDH値の上昇とATP量の低下はともに抑えられ、その結果、電気刺激に対する細胞の応答時間が延長しました。こうしたことから、マラソンなどのような有酸素運動の際に見られる筋肉疲労を、CoQ10が防ぐように働くことがわかります。体内のCoQ10は加齢とともに減少することを考えると、高齢者が有酸素運動を行う際にとくに有効であると思われます。
また、CoQ10は心筋細胞の拍動を増強する作用のあることも確認されました。さらに心筋細胞の拍動を安定化させる働きのあることもわかり、増強と安定化という2つの作用は、CoQ10が細胞内のATP産生を賦活することで引き起こされることもわかりました。
このようにCoQ10は、ATPをつくり出す働き手として十分に活躍することでエネルギー産生を促し、骨格筋や心筋といったエネルギー消費の盛んな組織に好影響を与えることが裏づけられたといえるでしょう。 |
CoQ10は、私たちの体のすべての細胞に存在しますが、その量は組織によって違います。エネルギーを多く必要とする組織ほど多く、心臓や骨格筋をはじめ、肝臓、腎臓などにたくさんのCoQ10が含まれています。エネルギーを大量に必要とする組織にCoQ10が多く存在することは、理にかなった、生体の不思議な力といえます。
反対に、CoQ10が多く含まれている組織ほど、CoQ10が不足することによるダメージは大きくなることもうなづけます。CoQ10は20歳の頃をピークに年齢とともに減少しますが、CoQ10の減少はエネルギー産生能力の低下を招き、全身の細胞の機能が低下して臓器や器官の働きが弱まり、それがさまざまな病気の発症につながります。
このようにCoQ10の作用について考えると、心臓の働きを強くするといったことはあくまでも結果であり、そこに到達するまでの過程、つまりエネルギー産生を促すことが健康維持に重要だとわかります。このエネルギー産生を促進する役割と同じように、CoQ10のもうひとつの大きな役割が抗酸化作用です。次に老化と関係の深い抗酸化作用について簡単に見てみます。 |
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